life

とらわれずに暮らしていく

ダカラ ナニ?

テレビの天気予報は連日猛暑日が続いていると喚いている

熱中症で何人運ばれたとか、野外での作業は止めた方がいいとか

でも、気温が高いからとか、お盆だからとか、そんなことは何も関係ない

 

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毎朝ヒマワリ畑に行けば、これだけのヒマワリが倒され食い荒らされている

倒れた草を頼りに侵入経路を探し、杭を増設して電線を張る

毎日毎日同じところを見回り、その日に倒されたヒマワリを回収して、次の日を待つ

明日の朝はこうなっていませんようにと祈りながら対策をする毎日

 

回収したヒマワリはもう数百本を超えている

持って帰ってきたものをよく見ると

登熟が進んだ部分だけを上手に食べている

残ったのはまだ中身が入っていないものばかり

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コンチクショウ

どうにかできんものか

もうやめようか・・・

そんな思いが頭の中でグルグル回っている

負けたくない

諦めたくない

負けてたまるか

諦めてたまるか

オレならできるはず

どこかに必ず突破口があるはず

 

ムリをしない

できる範囲で

そんなロンパールームなんてクソくらえ

熱中症猛暑日?忙しい?暇がない?

ダカラ ナニ?

自分自身との勝負に負けるわけにゃいかんだろう

あと2週間

オレは諦めない

 

まだ終わらない・・・・

花が終わって1週間

種の登熟が進むこの時期にヤツラはどこからともなく侵入してきます

イノシシがこれほど増えてしまった元々の原因は人間側の問題

しかし、丹精込めて作り上げてきたモノをコテンパンにされるのは・・・・

 

ワイヤーメッシュを張り巡らし、その内側に電気柵を張っても

何処からか侵入してくるイノシシ

毎年目にするこの現状は言葉で言い表すことができません

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毎日点検に行き

毎日100本近くの倒されたヒマワリを回収し

侵入経路を探して、補修するという毎日

昨日も炎天下の中40本近い杭を新しく打って、電線を新設しました

それでもなぜか、どこかが破られこういう有様

収穫できる状態になるまで、毎日毎日こういう我慢比べが続きます

果たして収穫できるまで、ヒマワリが残っているのか?

それは、その時になってみないとわからない

ただ、今年やれることをやっとかないと、来年の対策は立てられません

 

仕事の種類や、関わってることの関係なく

物事に取り組むということはこういうことだと思っています

日中の気温は40度近くか多分超えていると思います

そういう中での作業は確かにキツイし、精神的にも折れそうになる

無力感を感じるし、喜んでやりたいとは思いません

うまくいかないかもしれません

徒労に終わるかもしれません

種の1粒すら手にすることはできないかもしれません

でも、そこで諦めるのか、それとも何時かきっとと思うのか

諦めたらそこで終わり

ケツを割って涼しい顔で無かったこともいいかもしれませんが

それは、一番カッコワルイしみっともない

車の仕事も、コメも、ヒマワリも、

全部根っこは同じ

これ以上できないという所までいかないと

その先には進めないのです

 

ヒマワリは花が咲くだけで終わりではない

その先にあるものの方がずっと大切なことなんです

 

ヒマワリのツケ

7月30日から8月7日まで

ほぼ毎日ヒマワリ畑に居たため、整備の仕事を待ってもらっていました

 

オイル交換やタイヤ交換などの軽整備は昼間や夜に対応してきましたが

こういう時に限ってなぜか動かない車や動かせない車が入庫してきます

 

1台はクラッチ交換

例によって古すぎて部品がなかなか入らないので

これは部品が入るまでリフトに上げた状態で待ってもらうことに

もう一台はシカと激突しフロント部分が大破した車の修理

ジャンプしたシカがフロントガラス付近に激突したらしく

ガラスは粉々、フロントべっこりですが

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幸いなことにエアバックは作動せず、足回りもイッテいない

外注に出すと20万以上かかりそうなので

ガラスの張替とヘッドライト交換ととりあえず使える状態にするという修理

ガラスは社外品の新品で、ヘッドライトは中古品

油圧ラムで出せるトコまで出して、とりあえずガラスとライトが付く状態にして納車

 

そのあと入ってきた車はオイル交換の予定だけでしたが

エアコンが利かないということで点検してみると

ガスは入っているのにコンプレッサーのスイッチが入っていない様子なので

マグネットスイッチを直結してみるとコンプレッサーが焼き付いていました

考えてみればこの車も20年選手

家庭のエアコンでも10年くらいしか持たないわけですから

壊れてもおかしくはない年数がたっているということになります

 

部品の見積もりの為に車検証をファックスして、明日の返事を待つ

世間では盆休みの時期と重なるので、部品は盆明けになりそうです

腰は痛いし、暑いし、ヒマワリが終われば少しユックリしたかったんですが

なかなか休ませてはもらえないようです

 

 

今年も・・・

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7月30日に満開になったひまわりも今日でちょうど1週間

花の真ん中まで種の入ったヒマワリは、そのほとんどが首を下に向けています

今年も花は終わり

あと1か月ほど種の登熟を待ち、刈取りをします

 

元々は油をとる為に植え始めたひまわり

7、8年前からイノシシの食害で、壊滅的な被害を受け続けてきました

近頃は花芽の付く前にシカの食害もあり

種の収穫は全くできない状態が続いていましたが

今年は今のところ電気柵が有効に働いているようで

毎朝の見回りでも食害は見当たりません

あと1か月、できればこの状態でもってくれれば、久しぶりに油ができそうです

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ヒマワリの花1つには約2000粒の種が入っています

1粒の種から2000粒の種へ

この花100個から取れる油は約200ミリリットル

本来植物油というのはそういうものだということを、ヒマワリを通じて学びました

では、私たちの生活の中で使われている植物油というものは何なのか?

これほどの手間をかけ、これほどの過酷な作業を経ても

手にできる油の量というものは、タカが知れている

油に限ったことではなく

たいして疑問に感じなかった事柄の矛盾が次々に露わになってきます

 

イノシシやシカのこと、食べ物や価格のカラクリ、農業の矛盾、貧困や格差、

電気やエネルギーのカラクリ、情報に踊らされる社会、現場と消費者の乖離・・・

ヒマワリが咲き揃えれば確かに美しい風景になります

それを目玉にイベントをしたり、都市農村交流をするのもいいかもしれません

でもね、本当に考えなくちゃならないのはそんな一過性のものではない

1番大事なのは現場で何を感じるかということ

何かを感じ取れる感性を磨くこと

何気なく手にするモノや事柄の本当の姿を見極める

目と手と耳と心を持つかだと思います

 

理想を追いかければ、目標は遠く難しくなってきます

でも、そこを追いかけるのは他でもない自分自身だと思います

俺は自分で確かめたい

自分の目で見たい、自分の手で触りたい、自分の耳で聞きたい、自分の心で感じたい

人の受け売りや、インターネットは何も教えてはくれない

他人はどうだか知らんけど

365/1

 

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開花して1週間が経ち、花はそろそろ終わりを迎えようとしています

ミツバチたちが一生懸命に受粉してくれたお陰で種が付き始めたひまわりは

自分自身の重さで首を下に向けていきます

 

花の命は僅か1週間ほど

気温も湿度もミツバチの数も、人はコントロールできないし成り行き次第

いつ頃花が咲き始め、ピークがいつ頃なんて判断はつきません

無農薬のおかげかもしれませんが

ひょっとしたら、それぞれの役割を担った虫たちが花の寿命を縮めているかもしれない

自然は、人の都合や用事にあわせてはくれません

花のピークはたった1日

その瞬間を目にすることができるのは奇跡に近いことだと思います

 

いつでも快適に過ごせるエアコンや

いつでも同じものが手に入るコンビニとは違い

自然は儚く、脆いもの

でも、状況や環境に柔軟に対応して、何かの役に立ち、何かを残そうとする

その一つ一つを見ていくと

人間とはいかにツマラナイもので、くだらないもの

ワガママで、自分勝手で、無いものねだりばかりしていると感じます

 

農薬を使わなければミツバチたちは安心して寄ってきます

何も持ち込まずにそこにあるものだけで植物を育てれば

全てのものが循環し、連作障害も病気も10年間出ていません

悪さをする虫もいますし、役に立つモノもいる

ヒマワリの中を歩けば、たくさんのトンボが飛び出す虫を食べに寄って来る

足元にはウサギがいて、倒れたヒマワリには小鳥が寄ってくる

上空にはオオタカが飛び、カヤネズミやウサギを狙っている

食物連鎖と循環を担う生物たちが、その命を正しく全うできる場所

それは人間が自分の都合で歪ませた自分勝手な世界ではないと感じます

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私は一つだけ反対を向いているこのヒマワリのようにありたいと思います

「正しい」ことは正しい

でも、果たして本当にそうなのかというのは、やってみないと誰にも解らない

反対を向く勇気と反抗心こそ

「真実」を見るために必要なことなんじゃないかと思います

 

 

 

あぁ よかったな・・

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除草剤は使わない

化成肥料も使わない

有機肥料も使わない

この場所にあるものを使い 何も持ち出さず 何も足さない

5年という歳月

数えきれない失敗

折れそうになる気持ち

こころない中傷と離れていく人たち

正解は無く 答えは解らない

 

ヒマワリが咲いて何になる?

見た目にはどこにでもあるお花畑と変わらないかもしれない

でも、このプロセスには大きな意味がある

多くの人が経済の原則で物事を割り切ろうとする

儲かったか 損したか 自分に利があるかどうか

それも、自分のサイフ程度の狭い小さな世界で判断しようとする

 

私は聞きたい

志に価値は無いのですか?

流した汗と悔し涙には価値はありませんか?

過酷な作業に耐えられる体と

諦めないメンタルを与えてくれるものに価値はないですか?

 

今年もヒマワリが咲いてくれた

たくさんの失敗の上に初めて大輪の花を咲かせてくれた

あぁ よかったな・・・

ただただ素直にそう思える

その思いは絶対にカネで割り切れるものじゃない

 

最初の花

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ヒマワリを植えた幅は70㎝、この幅には大きな意味があります

トラクターのロータリーの幅は150㎝

芯から振り分け35㎝で種を蒔けば畝底までは40センチ

ロータリーを畝肩に合わせて次の畝を作っていけば

計算上次の播種場所は70cm空いたところを播種機が通っていく

現在手持ちの中耕管理機の耕作幅は60cm

畝たて管理機に排土板を付けて畝底を歩けば60cmのところまで土が寄っていく

中耕ができなかった時や最終的な草刈りに使うモアの幅は65cm

除草剤やマルチを使わずに草を抑え

1人役で2町を管理する為の組み合わせがやっと見つかりました

もちろんすべてがうまくいった訳じゃないけど

中耕のタイミングが良かった所は

この5年で一番いい状態にもっていくことができたように思います

 

畦畔の草刈りがあらかたおわり、残った株間の除草は手作業

株元に座り込んで鎌で除草をして、上を見上げると

大きな葉っぱの間から見えるのは真っ青な夏空

1列の除草を終え、腰を伸ばす為に立ち上がると

西日の中に最初の花がポツンと咲いていました

作業の終盤は圧倒的に暑い日が多くなります

機械を使っている時も、手作業で地べたに這いつくばっている時も

暑いし、嫌だし、早く終わらせて帰りたいという思いの方が強くなります

何か月もかけて作り上げたヒマワリ畑を、じっくり見ることも忘れがちになり

何時もふとした時に「あっ、咲いてる」と最初の花を見つけます

特別な感情や、思いが湧くことはあまりありませんが

「ああ、今年も咲いた、よかった・・・」と思います

 

無理なんじゃないかと思っていた完全無農薬無肥料でのヒマワリ栽培

圃場によってはうまくいかなかった所もありますが

水が切れるところでは以前より良い状態で花が咲きそうです