life

とらわれずに暮らしていく

無力感

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ワイヤーメッシュを張り終えたわずか数日後
柵の見回りに行くとこのような状態

それも1か所ではなく何十か所も柵がひん曲げられているし

溶接部分がバラバラになっている

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柵の下に穴を掘りそこから侵入した後もある

侵入後を見つけるたびに補修の繰り返し

鉄筋を撃ち込んで穴を塞ぎ、トタンで目隠しをする

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図書館で借りてきた本を読み漁り、講習会に出向き

良いという対策があれば取り入れた

しかし、偉い先生が言うように毎日見回りに行くのは不可能

目隠しにトタンを張ればいいといわれても

全部に目隠しをするには膨大な費用が掛かるし

そもそも耕作放棄されかかっている農地に対して、そんなモチベーションは続かない

 

ある時を境に集落全体にもあきらめのようなムードが出てきた

自分の田んぼは守るけど、集落全体の事なんて関係ないという空気

それはしょうがない事かもしれない

狩猟やジビエが話題にはなってるけれど

この無力感はこの場に立ったものにしかわからない

手を汚さず、汗をかかず、上っ面だけに飛びつく人たちは解ったような事を言う

「解体ショーをしてBBQをしたら人が来ますよ」とか

ジビエを促進して消費を増やせば仕事になる」とか

それは、五分で渡り合っていればの話

あまりにもくだらないのでそういう集まりに行くのもヤメタ

講演会に行くことも本を読むこともヤメタ

 

現場で起きていることは学問やムーブメントでは決して分からない

学問やムーブメントは人間の立ち位置から見た事

イノシシやシカがどう感じ、どう行動したら安全なのかを考えないと

堂々巡りはずっと続く

力vs力 数vs数 では対抗することはできない

先ずは、相手を知り、考えを読み、パターンを予測すること

自分が動物の立場だったらどういう風に行動するのかを考える為

毎日のように歩き回って観察した

 

大まかな事が分かるまで3年くらいかかったけど

そこを利用すれば侵入を塞ぐ事ができるという事が分かってきた

野生動物は人間が思うより臆病だという事と

彼らは健康体でなければ生存できないという事

この2つを脅かすものには簡単には近づかない

そして学習能力があるという事

このことを踏まえて作戦を立てればうまくいくというラインが見えてきた