その場所にあるもの
以前から不思議に思っていたことがあります
それは畦畔には肥料を全く施さないのに草の生育がいいという事
年に4~5回草を切りますが秋口にはびっしりと草が生え揃います
圃場に種まきしたってこれほど生え揃うことは無いのに
なぜこれほど元気よく伸びるのか不思議に思っていました
棚田の畦畔を歩いてみるとびっくりするくらい土が柔らかく
雨が降ってもべたつくことが無い
掘ってみるとサクサク鍬が入り、ぎゅっと握れば固まり崩せばサラサラになる
圃場の土としては理想的な土がナゼか畦畔に自然とできている
今まで畦畔に草は切ったまま放置して自然に無くなるという繰り返しでした
そこで今年はある実験をしてみました
春から夏にかけて切った草を一か所にまとめ、山積みにしたまま放置
その山積みした草の下で何が起きているのか
春から夏に切って積んでいた草は10分の1くらいになっています
その積み重なった草を少し剥いで見るとまず出てくるのが真っ白な菌糸の塊
そのなかにはダンゴムシやらミミズやらが沢山いました
匂いは広葉樹の腐葉土のようなニオイ
これは想像ですが、長い間草が枯れてできた層が積み重なり
その下では微生物やミミズなどが住みやすい環境ができ、結果としていい土になり
肥料を施さなくても植物が元気になる要素が出来ているんじゃないかと思います
その中でもう一つ狙っていたことがこれ
昔はどこにでもいたカブトムシがなかなか見つからないのは
成虫が卵を産む環境が減ってきたのではないかと思います
せっかく幼虫になってもこれだけイノシシが増えれば食べられてしまうだろうし
針葉樹や荒廃竹林の中にはカブトムシが育つ環境が無い
彼らが育つ環境を整えることと農をやっていくことは
反目になることでは無くてお互いが共生していくことなんじゃないかと思います
カブトムシが育つ状態の堆肥は植物にも有用だろうし
それを肥料として使えればこちらもありがたいし
草を集めて積み上げるのはメンドクサイけれど
それがお互い様という事なんじゃないかと思います