コンタクトポイント
平成になってからポイント点火の車は無くなりました
ポイント点火からセミトランジスター点火に変わり
フルトランジスター点火からCDI(キャパシタ ディスチャージ イグニッション)
今の主流はコンピュータ制御によるダイレクトイグニッションシステム
これはかつてホンダがF1で無敵だった頃の技術
当時はエンジンマネージメントシステムと呼ばれ
とてつもなく高価で限られたワークスチームだけのものでした
今は軽トラでもこの技術が使われ
解体屋に行けば腐るほど捨てられていますが・・・・
いつものように「バッタモービル」の不調の電話
とりあえず入庫して調べていくと、エンジンがミスファイヤを起こしている様子
プラグを外して磨き、プラグコードの抵抗を計っても異常なし
イグニッションコイルの抵抗値も正常だし、外部抵抗もコンデンサーも正常
残るはディストリビューターキャップかローターかポイント
案の定ポイントを外してみると接点が焼けて穴が開いていました
ところがポイントを頼むと、部品屋には在庫なし
注文なので、2~3日かかるという返事
ヒマなので、昔のように接点を磨いて、クリアランスを取り、組み付けると
エンジンは何事も無かったように1発始動
夏にあわせて少し薄めにしていたアイドルアジャストを濃い目にセットして終わり
新しいポイントが来たら、交換して納車することができます
ほとんど目にすることが無くなったポイント点火ですが
これを考えた人はスゴイと思います
僅か12ボルトしかない電気を電磁誘導のシステムと増幅コイルを使い
3万ボルト以上に電圧を上げてプラグに着火させるというシステム
それも、全く分からないシステムやコンピューターを使わずに
ポイント接点と薄い板バネだけで何千万回もの着火を可能にするアイデア
仕組みが理解できれば誰でも修理できるし、故障にも対応できる
なにより、価格が安く済み、いざとなれば銀ロウで修理することもできます
こういう修理はほとんどなくなってきましたが
こういう技術が今の複雑怪奇なシステムのベースになっているのだと思います
「良い圧縮 良い空気 良い火花」
というのは時代が変わっても変わらないもの
ブラックボックスは便利で快適だけど
基本は忘れてはいけないことだと思います