地下足袋
ずっと以前から農作業には地下足袋を履いている
正確に言うと農作業用の足袋ではなく鳶職人や大工の履く
縫い付け足袋というソールが薄くこはぜの多い長いタイプ
傾斜のきついとこでは地面を足の指で掴む感覚と薄いソールから伝わる感触が必要
底が厚くや指の動かないクツは感覚が解らないし、脱げてしまう事もある
昔からある日本独自の履物だけど「仕事」の道具としてはこれより優れたものは無い
もちろんデメリットもある
足は濡れるし、1年で2足くらい履き潰すので長靴に比べ耐久性は劣る
ずっと使っているメーカーの足袋は安いモノの倍くらいする
ただ、これに勝る履物にはいまだ出会ったことが無い
左足の感覚がおかしくなって改めて思うのは、足裏の感覚の重要性
足の裏は車でいう所のタイヤみたいなもので
人間は足の裏の感覚で無意識にバランスを取っている
足の裏というセンサーが捕らえる情報を体中の筋肉や脳の伝え体を動かしている
今現在左足が捕らえる情報は以前に比べて極端に少なく鈍くなっている
実際にしょうがなく長靴を履くと、足がどこに付いているのかさえ分からなくなる
その不確実な情報でバランスを取ろうとすると
体中のバランスに補正がかかりとにかく疲れるし頭もぼーっとしてくる
そんな大げさなという人もいるかもしれないけれど
それはそうなってみないと解らない事だと思う
足袋と靴ではそれほど違う
条件が厳しくなればなるほど、その差は大きい
ズボンのすそをたくし込んで12個あるこはぜを一つ一つ止めていく
それは「仕事」に臨むための儀式のようなもの
足元をビシッと決めて心構えを決めるようなものだ思う
靴のかかとを踏んずけて平気な人にはわからないと思うけど