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life

とらわれずに暮らしていく

浅草キッド

思うこと

ビートたけしがテレビで「浅草キッド」を唄っていた

歌自体は何度も聞いたことがあったけれど、本人が歌うのは初めて見た

本当の歌い手でもシンガーでもないたけしの歌は、決して上手くは無い

でも、命を削りながら生きてきた人の声や言葉は

どんなシンガーの上手な歌より心に響く

 

夢や希望を語るヤツはいっぱいいる

ああしたい こうしたい ああなりたい こうなりたい

でも、そんな話をする人の大半は、かなわぬ夢を何かにすり替えている

学校が悪い、社会がわるい、世の中が、大人が・・・

私が悪いんじゃない 私が原因じゃないって

好きなことをやりたい

楽しく、面白おかしくやりたい

でも、挫折も壁も無い夢なんて

本当に好きにはなれないし、本当の楽しさや面白さはわからない

 

やりたいことを実現したり、夢を叶えたいというのは

そんな爽やかで見た目の良いもんじゃない

たぶんもっとドロドロした暗いものを内包したもの

無様で、どうしようもなく、見苦しいもの

もうやめよう・・・もうできない・・・でも・・・

そんなことを繰り返しながら

少しづつ少しづつ、遥か彼方に見え隠れするものを追いかけているようなもの

 

会社や学校への不満や愚痴をよく聞くけど

考えてみたら会社や学校ほどラクなものはない

働く人間には少なからず権利が保障されているし、給料も貰える

40点取って、出席日数が足りていれば卒業させてくれる

そんなラクな所で不満をタラしているヤツは夢なんか掴めない

地盤も看板も鞄も無い人間が生きていく為にすがれるのは

自分自身と夢と覚悟しかない

生きるか死ぬかのゼロサムゲームは負ければすべてを失うということ

楽しく面白くなんて入り込む余地はこれっぽっちも無い

いざとなったら他人の靴底でも舐める覚悟が無いのなら

夢なんてさっさと捨ててしまった方が幸せだと思う

 

浅草キッド」には夢を追いかける人間の、無様でやりきれない思いが詰まっている

かすれた、へたくそな、たけしの声には

夢にしがみつかなければ生きていけない弱さと

夢を持ち続けようとする強さが入り混じっている

そういうものを乗り越えてきた人たちの声や眼差しには、真の優しさがあるように思う

オママゴトや馴れ合いの世界で生きていても

そんな格好よさを身に付けることはできない