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life

とらわれずに暮らしていく

櫨蝋

里山のこと

和蝋燭のことや櫨蝋を取り巻く現状、それを維持していく為にはどうしたらいいか

という相談を受けました

現在広く使われている「ローソク」はパラフィンを主原料とする洋蝋燭です

原料のパラフィンは原油を精製し分留したもので、流動点の低いものは

灯油やベビーオイルになり、成分は同じものです

一方和蝋燭の原料は櫨科の作物の果肉から抽出されたもので、山櫨や漆の果実からも

採取できます

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これは山櫨の果実ですが

この果実を粉砕し、蒸して圧搾した物が櫨蝋と言われるものです

櫨にもたくさんの種類があり、昔の人は品種改良を重ねより良質の蝋が採れる品種を

選抜し栽培してきました。有名なものに「松山櫨」などがあります

 

相談をしてきた人が言うには、年を追うごとに採取量が減っていること

良質な櫨が減っていること、櫨の実を採集する人が減っているということでした

NPOまちおこしで櫨蝋のことは耳にしますが、現実はそうではない

危険で、大したカネにはならないことは、薄っぺらいことでは解決しません

学生のサークルや学園祭のようなノリでは根本的なことは変わらないと思います

 

現実的に「あかり」というものは実質電気ということになります

わざわざ蝋燭の明かりで暮らすことを選択する人はほとんどいないし

ましてや高価な和蝋燭を使う人はいないと思います

イベント的なものに使われるか、仏事神事に使われるか

ドラマや映画のセットの小道具か、雰囲気を演出するために使うか

いずれにしても、日常生活の中ではすでに淘汰され存在意義を失っています

ただ、だからといって絶滅してもいいとは思わないし

技術や知恵を伝承していくことは大切なことだと思います

 

松山櫨のような高級で高品質な蝋は、何かしらの形で残っていくと思います

それはそれでいいことですが、もっと身近なことはできないかと考えています

たとえば、そのへんに生えている山櫨でクレヨンをつくってみるとか

和蝋燭じゃなくてもティーキャンドルのようなものを作って、

栽培したハーブを混ぜてみるとか

そんなことをゼミとして受講できる形ができないかとか

そんなことをやってみたら、櫨が少し身近な存在として認識されないかなと

考えています

 

何度か櫨を取ってきて、蝋を絞ったことがありますが

これがなかなかうまくいかないし、手間もかかりるし、歩留まりも悪い

それを経験すれば、和蝋燭の価値や職人の凄さも理解できる

本物の価値というのは値段や希少だけじゃなくて

多くの時間と人の手、長い時間を費やして手にする技の価値なんだと気づきます

だからこそ、守り引き継いでいく価値がある

同時に、自分で蝋を絞り作ったクレヨンで描く絵は

市販のクレヨンで描く絵とは別物だと思うし

ティーキャンドルは「あかり」という機能だけではない価値をもたらすと思います

そういうことを多くの人に体験してもらえば

櫨蝋かもっと身近にもっと価値のあるものだと認識してもらえるんじゃないか

そんなふうに考えています