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life

とらわれずに暮らしていく

別れ

15年前の春、ジャンバーのポケットに入れられて貴女はうちにやってきました

鼻水と涙でグシャグシャになった顔

かすれるように細い鳴き声

小さく 弱々しくて すぐにでも壊れそうだった

あれから15年も経ったんだ

人間でいえば、80歳を超える齢

精一杯、寿命を全うしてくれたのかな

 

ベットの窓側を少し開けておくことも

ビールの缶に水滴が付くまで台の下に置いておくことも

パンを食べる時お皿の端に少しバターを残しておくことも

ストーブの前を少しだけ開けて座ることも

朝仕事に行くとき、二階の窓を見上げることも

日常の些細なこと全てにいつも貴女がいたような気がします

 

ずっと一緒だった

朝起きる時も、寝る時も、家族が増えていく時も

いつもどこかに貴女がいて、貴女がいることが当たり前で

家の中を見回せば、貴女がいた場所だけがポッカリ空いている

心の中の貴女の場所が抜け落ちたように空いています

 

「まるちゃんはしあわせだっただろうか?」

言葉を話さない貴女の気持ちを聞くことはできません

でも、私たち家族は貴女がいてしあわせだったことは間違いない

貴女がいるだけで、ただそれだけでしあわせでした

 

出会った時は貴女が、別れる時は私たちが、涙と鼻水でグシャグシャになった

出会いがあれば必ず別れがあります

命あるものは必ずその命が終わる時がくる

別れはつらいし、かなしい

でも、私たちは貴女と出会えてよかった

長い時間を共に生きていけてしあわせでした

貴女のことは忘れない

忘れないということは、心の中でずっと生きているということだと思います

 

まるちゃん 

長い間ありがとう

ほんとうにありがとう