life

とらわれずに暮らしていく

美味しいもの

夏から秋に季節が変わる頃、多くの美味しいものが里山を彩ります。最初に食べられるようになるのはアケビ

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この紫色の実は熟してくると外側が割れてきます。その中の果実はほとんどが種なのですが、種の周りに甘い果肉がついています。ただ、割れてしまうと1日も持たずに鳥がやってきて食べてしまうのでタイミングが難しい。今日かな明日かなと楽しみにしていた思い出があります。

アケビが終わって2週間くらいすると同じ種類のムベというのが食べごろになります。

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ムベは熟して裂果しないので鳥と競争にはならないのですが、イタチなどが食べているようです。これも皮を割ると種だらけの果実が中に入っていて甘いゴチソウでした。

でも一番旨いのはのはこれ

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何かに似ていると思いませんか?これはサルナシといいます。小さなキウィのような形をしていますが、中身もキウィそっくりのエメラルドグリーンをしています。完熟して柔らかくなったら食べごろで、味は完熟したキウィそっくりです。

私たちがまだ小さかった頃は今のようにコンビニなんかなくて、お菓子は駄菓子屋で買うくらい。お小遣いも10円くらいでしたから、甘いものは飴玉くらいしか買えませんでした。だからこの時期から柿が真っ赤に熟すまでの間、里山は1年に1回の宝物の宝庫でした。シイの実をポケット一杯に拾って、アケビやムベを頬張りながら、秘密基地で友達と戦果を分け合って遊んでいました。

木登りが上手で、刃物を使えて、アケビやサルナシをたくさん採ってくるヤツがいちばんえらかったあの頃。でも、シイの実しか拾えない仲間や下級生も採ってきたものは平等に分け合って遊んでいました。そんな穏やかな序列と思いやりがあのころにはあったような気がします。

カネを出せば甘くておいしいものがいつでも買えるようになった今、木登りは危険で、鉛筆も削れない。食べられる物も解らず、美味しくなるまで待てない今の子供たちは、成績と小遣いの額で序列が決まってしまうんだろうなと思います。

子供たちはそれで楽しいのかな?成績もどんなゲームを持ってるかも大事かもしれないけど、木登りができたり、自分で道具を作ったり、美味しいものを苦労して手に入れる方がずっと楽しいんじゃないかとオジサンは思うんだけど・・・