life

とらわれずに暮らしていく

5日目

まだ下半身のしびれは続いている

右足は何となく動くようになってきたけれど

左足が全く思うように動かない

ションベンの出るには出るけど、出ている感じが全くしない

クソはまだ出てないのでわからないけど、けつの穴もなんかおかしい

 

まだ車椅子から降りられない

同じ日にOPをした人は歩行器でスタスタ歩いているのに

 

 

3日目

今日で手術後3日

手術後に下半身全体の鈍麻が出て立てない状態に

3日間で少しは回復したような気がするけど、まだ立つことはできない

 

何事にも想定を超えることがあり、思い通りという訳にはいかないようだ

痛い思いをして我慢しても

覚悟を決めて手術を受けても思ったようにはならない

現実は辛いし、悔しいけれど

受け入れてどうすればいいのかを考えなくちゃいけない

 

腰が悪いのを誰にアタッても良くはならない

OP後に予想外の事が起こったとしたって、それは先生のせいじゃない

大事なのは、現実をしっかり認識して正しい対処を続けること

諦めたり、ふて腐れたりしても、病気は克服できないし復帰が遅くなるだけ

 

「こんなはずじゃなかったのに」

仕事でも病気やケガでもそう思うことは多いし

どちらかといえば思った通りになる事の方が珍しい

そりゃ今だって気分が良いわけじゃない

同じ日にOPを受けた人が歩行器で歩いているのに

ションベンの管すら外せないというのはナサケナイ

でも、これは捉え方で明日が変わることなんだと思う

ベット上で足を動かすのはキツイしどうなると保障されてる訳じゃない

ただ、やらないと方向性も自分の立ち位置もわからないから

とにかくやるしかないんだと思っている

 

そう強がってないと

ほんとは怖い、もしこのままだったら

車やバイクに乗ることも、仕事も、畑も・・・

そうなったらもう俺じゃなくなってしまうから

それはどうしてもイヤだしね

 

 

 

 

もう一度戻る為に

空調の効いた部屋

運ばれてくる食事

ただベットの上に寝転がり、本を読みネットをひらく

いつもの年ならひまわりの最後の仕上げの時期

 

脱水気味の体にムチうって

明るいうちは農場で

暗くなったら電気の下で整備をしていたはず

そんなときはいつも思っていた

「クーラーの効いたとこで仕事したい」

「汗のかかないとこで、ゆくっり本でも読みたい」

でも、実際そうなってしまったら

これほど退屈でストレスの溜る事は無いと感じている

 

半年間、手術を回避しようとアガきまくってきた

でも、痛み止めの座薬が効いている時だけ何とか動けるなんて普通じゃない

他人はどうだか知らないけど

機械の整備と農業のどちらも1人役でできないと何も意味がない

結果を出さなくて良い事なんて一つもないし

頑張ったから結果が出なくてもしょうがないなんてありえない

他人のふんどしで相撲を取るのは性に合わないし

1から10まで自分で手掛けてないものなんて何の価値もない

 

明日人生で3回目の脊髄のOP

自分の世界に戻って

自分の足でしっかり歩く為に

 

 

 

良いあぶら

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近頃テレビでミランダカーがウーロン茶のCMをしている

ウーロン茶を飲むとハラが痛くなるので飲まないし

ウーロン茶を飲んで嫁さんがミランダカーになるわけじゃ無いからドーデモいい

ナイスバディにばかり目がいくけれど、内容的にはイイ事を言っている

「あぶら」は多すぎても少なすぎても良くないから

適量の「あぶら」を毎日摂る必要があるという事

世界的なミスコンのアドバイザーの本にも同じようなことが書いてあった

脂質は必須栄養素なので必ず摂取しなくちゃいけないものだけど

良質なものを適量に摂取する必要があって、何でもいいわけじゃないという話

 

この頃は「糖質制限」だの「脂質制限」だのという話をよく耳にする

でも食べ盛りの子供がいれば、おのずと油モンが多くなるし

実際に3食米の飯を食い、昼にはメンのおまけもつく

いわゆる成人病にならない食事とはかけ離れた食生活をしてるけど

この20年ほとんど体重は変わらないし、服のサイズは30年変わっていない

健康診断で引っかかることも無く、悪いのは腰だけ

内臓脂肪も体脂肪もほとんど変わらず、コレステロールも増えない

まぁそんなことを気にするヒマはないし、ケンコーオタクじゃないからどうでもいい

 

仕事上、多種多様なオイルを扱うことは多い

オイルに求められるのは潤滑性と清浄性

オイルを入れないでエンジンを回したり、ギアを回転させたりすると

5分もしないで金属は焼き付き動かなくなってしまう

清浄性だけを考えたら酸やアルカリの溶液の方がずっとヨゴレは落ちる

でも金属に対して攻撃性の強いものは使えない

これは手を洗うのにも共通している

グリスやスラッジで真っ黒になった手を洗う時、普通はアルカリ性の石鹸を使う

なかなか1回では落ちないので何度も洗ったり、お湯を使ったりしていると

手がボロボロになってひび割れてくる

これはエンジンなどをバラシて洗う時も同じ

アルカリ性の洗浄剤は鉄に対してはそれほどでもないけれど

アルミに使うにはかなり神経を使う

一番いい方法は、いいエンジンオイルを温めながら使う方法

これだと金属に対する攻撃性は無く、汚れも綺麗になる

ただ、ちょっと時間がかかるけど

 

エンジンと体は同じじゃないことは解ってる

でも、酸化したタールや焼き付いたスラッジを安全に落とすということは

体の中に残っている不要なあぶらを落とすという事と同じじゃないかとも思えてくる

ただ、油汚れはいい油でしか安全に落ちないということは事実でもある

 

ひまわりや菜種を作り出してからは、市販の食用油は使ったことは無い

食に拘らず、酒もたばこもやるけど

肝機能や腎機能は若い時と変わらないし、成人病の予備軍に入ったことも無い

これは嫁さんも82になったおふくろも同じ

もちろん多少のストレスと肉体労働も無関係ではないとは思うけど

自分で作った油を食べていることと関係してるのかもしれない

まぁ、これは多分に依怙贔屓な面もあるんだろうけど

 

 

 

 

 

 

仕事とは

ダチの大工が作った寄木細工の箱

無垢のフローリングの残材を使って仕事の合間の作ったという

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小さな寄木の寸法は0.1ミリまで測れるノギスでは全部同じ寸法

でも、0.1ミリ以上の精度が無ければ隙間なく木を組むことはできない

髪の毛の太さは大体0.03ミリ

髪の毛も入らない隙間で組まれた寄木の精度は0.03ミリを超えるもの

それを手カンナで調整しながら組んでいくものらしい

 

本当にカネのかかったエンジンやギアを組む時

1000/1まで測れるマイクロメーターとダイヤルゲージを使いながら組んでいく

でも、1000/1の精度は気温や湿度で変わるし、体温でも微妙に変化する

クリーンルームでなければ計測機器で1000/1まで測ることは不可能だし

F1でもなけりゃそれほどの精度は必要としないし、そんな設備は無い

100/1を超える精度を普通の状態で図るのは不可能だけど

100/1では高出力のエンジンを組むことは難しいし

この寄木を作ることはできない

 

ダチも俺もそれほどの精度を求められる仕事を受けたことはない

この箱に100万払うお客さんはいないし

エンジン組むのに青天井で予算をくれる人はいない

商売的には必要のない技術なのかもしれないけど

これは心意気やプライドの問題

恥かしくない仕事をするという職人の矜持の問題だと思う

 

この頃はウスッペラい話ばかり聞くし、それの方が耳目を集めて儲かってることが多い

でも、どちらがカッコイイかと問われたら答えは決まってる

手の記憶というのは、学校にいったって、1年や2年やったって身に付かない

ストーリーやバックグランドなんてどうでもいい

クオリティを追求する人間にそんなものは通用しない

仕事とはそういうモンだと思う

 

 

 

あと10年

腰痛で動けなくなって10日余り

これほど外に出なかったのは、最後に入院して以来の事

寝ることもできないほどの痛みは少しずつやわらいできたけど

まだ、歩くことは難しい

ギックリ腰とは比べようもない痛み

神経の中に針金を入れられてグリグリされているような感じ

年に何度か出てくる症状だけど、今回はひどい

 

覚悟はしている

手術をしてから今まで

いつか、仕事ができなくなる事やまともに歩く事ができなくなる時がくること

いつ訪れるかわからない恐怖はずっと居座り続けている

家族に対する責任、お客さんに対する責任、やり続けてきたことへの責任

怖いという気持ち、逃げ出したいという思い

それを忘れさせてくれるのは、一心不乱に何かに取り組んでいる時だけ

それが無くなれば、病気には立ち向かえなくなる

 

やっと、少しは動けるようになった

すぐに動けるようにはならないけれど

預かっている車は直さなきゃ

じっとしていたら、頭がおかしくなりそうになるし

恐怖に押しつぶされそうになる

自分がダメ人間になったように感じるし、二度と立ち上がれないような気がする

 

もし神様がいるのなら、土下座をしてでも頼みたい事がある

あと10年でいい

あと10年すれば、一番下の子が18歳になる

親として一応の子育ての責任は果たせる

そしたら、やっと手に入れたメルセデスコンバーチブルで旅行に行きたい

皮のトランクをトランクキャリアに括り付けて

ボロボロの革ジャンを羽織って

ジジィとババァで、白いメルセデスの屋根を開けて走りたい

あと10年、10年でいい

 

お仕事

動かないトラクターの修理を依頼され

とりあえず見に行くと、そこにあるのは英国フォード製の3910というタイプ

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数年動かしてなくて、もちろんバッテリーは上がってるし

ラジエターの水も入っていない

オイルは入っているけれど、触ってみるとスラッジのザラザラが手に付く

燃料フィルターは真っ黒ケ

エンジンが掛からないので水漏れもオイル漏れも特定できない状態

とりあえず新品のバッテリーを調達してからということで、待ってもらう事に

 

このトラクターのバッテリーは専用品で、代替品が無い

見た目や幅は国産のEタイプとそっくりだけど、高さが微妙に違う

純正品の定価は、ナント¥75000

トラクターを買うと思えば安いけれど、それにしても高い

いろいろ探し回って見つけたバッテリーは定価¥38000

そのバッテリーをもって取り付けに行く

 

バカでかいバッテリーはエンジンの上についている

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腰の悪い人間にとっては、一発でヤッちゃうような高さ

とりあえずバッテリーを付け、カラになったラジエターに水を入れて、キーを回す

エンジンはガラガラとディーゼルノックの激しい外国製ディーゼルの音

水温が上がるまでアイドリングをしながら点検をしていく

ファンベルト  ダメ

ラジエターホース  ダメ

燃料計 動かない

アイドリングでチャージしない

でも思ったより悪くは無さそう

ウオーターポンプも大丈夫そうだし、オイル漏れもしていない

PTOの油圧も正常に作動しているし、オイルシールも漏れてはいない

 

後は動かして負荷をかけた状態でどうなるか

換えなきゃいけない部品と、様子を見る所をオーナーに伝え

仕事は終わり

こういう働く機械は何かカッコイイ

性能は日本のメーカーの方が遥かにいいのだろうけど

ジョンディアやフォードの機械は何故か惹かれるモンがある