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life

とらわれずに暮らしていく

基本中の基本

なかなか進まないトンネル法面の草刈りですが

どうにか仮払機で切れる所は終わり

最大の難関でもある竹と葛の絡まった場所まで到達しました

此処から上り約20メートルと下り20メートル

トンネルをまたぐ15メートルの合計50メートルほどは手作業になります

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刈払機の振れない所は手作業の方が早く安全に作業できます

絡まった葛も順番にもつれた糸をほどくように切っていけば案外スムーズにいくもの

というわけで、仕事の合間に刃物を研いで準備をしています

鉈や鎌は草刈りのをするうえで最も原始的な道具ですが

チャンと使えば結構仕事は進むし、込み合った場所ではこっちの方が早い

ただ、髪の毛に引っかかるぐらい研いでおかないと

疲れるだけだし、妙な力が掛かって危険なこともあります

 

近頃は安い刃物も出回っていますし、鎌や鉈で作業することも少なくなりました

刃物は危険だということで、子供の頃に使えなくしてしまっているので

刃物を研ぐという行為を経験したことのない人も多いと思います

確かに刃物は危ない

私の手には刃物傷がたくさんあり、アチコチ傷だらけですが

結局それは使い方を間違え、手入れを怠った為についた傷

刃物を研ぐというのは難しく時間のかかることですが

研ぐという行為を通して、安全にかつ効率よく作業を進めるための

儀式のようなものだと思います

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同時に刃物を研ぐというのは、道具を大切にするということの基本だと思います

今は、動力に任せて力任せに作業を進めていくことが多くなりました

土がどういう状態であれ、トラクターを使えば耕せてしまうし

草が固かろうが柔らかかろうが、チップソーは関係なく切ってしまう

それは農作業に関わることだけじゃなく、様々な場面で同じようなことになっています

車の事でも、食べ物の事でも、

基本中の基本すら知らなくても、とりあえず金を出せば解決できていく

そんな人たちに、いちばん大切なことを伝えようとしても無駄なのかもしれません

しかし、根っこの部分を何も知らず、何も経験せず

知らずに知ったかぶりの事ばかり言われても

それには何の中身も無い空疎なことだと、私は感じます

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刃物を研ぐことから始まったことは

全て自分の中に刻み込まれていきます

それは他人の言葉や、薄っぺらい流行りとは別次元の本当の事

本物というのはそういう事なんじゃないでしょうか

 

 

コンタクトポイント

仕事のこと

平成になってからポイント点火の車は無くなりました

ポイント点火からセミトランジスター点火に変わり

フルトランジスター点火からCDI(キャパシタ ディスチャージ イグニッション)

今の主流はコンピュータ制御によるダイレクトイグニッションシステム

これはかつてホンダがF1で無敵だった頃の技術

当時はエンジンマネージメントシステムと呼ばれ

とてつもなく高価で限られたワークスチームだけのものでした

今は軽トラでもこの技術が使われ

解体屋に行けば腐るほど捨てられていますが・・・・

 

いつものように「バッタモービル」の不調の電話

とりあえず入庫して調べていくと、エンジンがミスファイヤを起こしている様子

プラグを外して磨き、プラグコードの抵抗を計っても異常なし

イグニッションコイルの抵抗値も正常だし、外部抵抗もコンデンサーも正常

残るはディストリビューターキャップかローターかポイント

案の定ポイントを外してみると接点が焼けて穴が開いていました

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ところがポイントを頼むと、部品屋には在庫なし

注文なので、2~3日かかるという返事

ヒマなので、昔のように接点を磨いて、クリアランスを取り、組み付けると

エンジンは何事も無かったように1発始動

夏にあわせて少し薄めにしていたアイドルアジャストを濃い目にセットして終わり

新しいポイントが来たら、交換して納車することができます

 

ほとんど目にすることが無くなったポイント点火ですが

これを考えた人はスゴイと思います

僅か12ボルトしかない電気を電磁誘導のシステムと増幅コイルを使い

3万ボルト以上に電圧を上げてプラグに着火させるというシステム

それも、全く分からないシステムやコンピューターを使わずに

ポイント接点と薄い板バネだけで何千万回もの着火を可能にするアイデア

仕組みが理解できれば誰でも修理できるし、故障にも対応できる

なにより、価格が安く済み、いざとなれば銀ロウで修理することもできます

こういう修理はほとんどなくなってきましたが

こういう技術が今の複雑怪奇なシステムのベースになっているのだと思います

「良い圧縮 良い空気 良い火花」

というのは時代が変わっても変わらないもの

ブラックボックスは便利で快適だけど

基本は忘れてはいけないことだと思います

ナンデモ同じこと

そろそろ稲刈りの季節

この時期に雨が続くと田んぼの水の調整が難しくなります

作柄は豊作でもなく凶作でもない

肥料や農薬を使わずにコメを作れば当然草も生えるし虫もつく

例年通りの事なので

まぁ、こんなものかという感じ

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水口を閉め、稲刈りまでは田んぼを乾かしてコンバインが入るように調整していきます

ついでにジャガイモを植えている場所に行き、芽出しを確認

秋じゃがは、種イモが腐りやすいし丸ごと1個を使わなきゃいけないので

去年からこの方法で植えています

芽が伸びたら伸びた分だけを植えて、種イモを丸ごとは植えない方法

種イモの節約にもなるし、芽欠きも要らないのでこっちの方が良いような気がします

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その後は、トンネル法面の草刈りへ

こちらはケツが決まっているので、何とか間に合わせるように

少しづつですがやっています

傾斜がきついし、葛が絡まっているのでなかなか進みませんが

やらないと終わらない

それでも長い時間は無理なので、暗くなったら終了します

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だいぶ進んだつもりでも、まだまだ先は長い

種蒔きに間に合うかどうかはビミョーな感じですが

まっ、それでもやんないとね。言い出したことだし

 

稲刈りも、ジャガイモの収穫も、トンネルの草刈りも

結果が出るのは先の事

でも、稲刈りの前には水を調整したり、畦草を刈ったり、やることはいっぱいある

ジャガイモも、芋をいけたのは3週前の事

菜の花が咲くのは来年3月の事

共通してるのは、結果の為には準備が必要だという事

準備をしなければ種は撒けないし、コメは食えない

それを解ってる人がどれだけいるのだろう

まぁ、どうでもいいことだけど

 

 

5年先10年先のこと

ヒマワリの作業が終わるのが9月下旬から10月にかけてのこと

来春に菜の花を咲かせるためには、10月中旬から下旬までに種まきをしないと

ウマく名の花を咲かせ、菜種を採ることは難しくなります

筑豊盆地の南端に位置するこの場所は、霜が早く寒か強い場所だからです

 

去年10月25日に種まきをした菜種は何故か発芽不良になり

蒔きなおしたのが11月の10日過ぎ

幸い暖冬だったので順調にいっていると思いきや、1月のドカ雪で全滅してしまい

菜の花畑はできずじまいになってしまいました

種蒔きが遅れ、根が伸びない内に雪が降り、地面が何日か凍結したこと

寒が弱く、本来糖分をため込んでいる筈の菜種が青いままだったこと

どちらにしても、適期に播種できなかったことが原因だと思われます

 

というわけで、今は草刈りの真っ最中ですが

夏草が枯れるまで待っていたので、ものすごいことになっています

お陰でラビットモアもハンマーナイフも故障続き

万全にするために、雨で作業ができない日にまとめて整備をしています

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2台ともよく働いてくれるのですが、

いかんせんロートルで部品は出ないし、何かと不具合も出てきます

動かないものを貰ってきたので文句は言えませんが

エンジンを乗せ換えたり、違う部品を加工して改造したりしてナントカなっています

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ヒマワリを植えていた圃場の草刈は終り

残すは耕作放棄された圃場とトンネルの法面だけ

水が溜まっていたり、竹が生えていたり、面積の割には手が掛かりますが

トンネルプロジェクトの最初の1歩の為にはやらなくちゃなりません

 

ヒマワリを10年以上続けてきて確信しているのは

一番地味で、光の当たらない事からやってきた者の言葉には真実があるということです

上っ面だけ関わるような人もたくさんいますし

解ったような事ばかり言う、エセプロデューサーみたいな人もたくさんいる

マスコミの取材をお断りし、イベントなどをヤメタのも

よく解らない人や、かかわりの薄い人たちが、都合のいい解釈で情報を流されても

真実は伝わらないし、伝えたいことも間違った解釈で伝わるからです

 

私は汗を流し、泥で汚れてきた者にしか解らないことばかりだし

その言葉でしか人の心に響くことは無いんじゃないかと思っています

どれだけの人がプロジェクトに関わり、真実を語れるようになるかはわかりません

ただ、そこを通らないと人惹きつけ、心を動かせる言葉は出てこない

5年先、10年先に花開くものを創り上げるというのは

地味で退屈で日の当たらないことの積み重ねなんじゃないかと思っています

学ぶこと

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イノシシとの争奪戦を終え

手にしたヒマワリの種は、コメ袋で10袋ほど

標準栽培収量は10アール当たり120キロから150キロなので

耕作面積から計算すると3トンくらいは採れる計算ですが

現実には10分の1に満たない

理想は遠く、現実は厳しい

上手くいったこと、上手くいかなかったこと

何が良くて、何が悪かったのか、足りないもの、十分でなかったものは何なのか

これはまた来年への宿題

グズグズしていても何も始まらないし、何も進まない

 

「お前の精一杯はこんなもんか?」

「お前はメイッパイやりきったのか?」

毎年の自問自答は今年も続く

「これで、メイッパイです。これ以上はできません」

「だって、しかたないじゃない、イロイロ忙しんだし」

そう言えれば、どれほどラクかといつも思います

でも、いつも思うのは

「あそこをこうしてれば良かったんじゃないか」

「もうちょっとやれることがあったんじゃないか」

という後悔の思いばかりと同時に

「まだ、できるはず。もっとやれるはず」

「負けてたまるか。絶対負けねぇ。いつかきっと」

と思います

 

厄介な性格だと思いますし、メンドクサイなとも思います

歳をとって体力は無くなっていきます

子供が大きくなれば、お金もかかるし、時間も取られる

でも、そんなことを言い訳にするのなら、初めからやらないほうがいい

子供を言い訳に、家庭を言い訳に、お金を言い訳にして、体を言い訳にして

色んなことを諦めて、自分を正当化するなんて

そんなカッコワルイジジイになるくらいなら、死んだ方がマシだと思います

 

一度決めたことは、最後まで自分が納得できるまでやる

世間がどう言おうと、たとえバカにされ、蔑まれようと信じたことをやる

ヒマワリは自分自身の中にある弱さや甘えを曝け出してくれます

諦めずに挑戦することの大切さを教えてくれます

10年の紆余曲折はヒマワリの収量だけでは測れない

どれくらい油が採れて、どれくらいの収入になるなんて

取るに足らないことなのです

 

 

選ぶのは勝手だけど

「安くて、早い」という牛丼屋のようなキャッチフレーズの車検が始まって

20年近くが過ぎています

牛丼が安くて早いのはとても助かることですが

自動車というのは便利なツールではありますが

同時に簡単に人を殺すことのできる鉄の塊の凶器でもあります

 

安くて早い車検ができてから、高年式の車は入ってこなくなりましたが

中には何かの縁で車検をさせてもらえることもあります

24か月の法定点検をキッチリやると、丸1日かかります

部品を拾って、注文してで早くて半日

組み上げや交換で1日

チョット込み入った整備になると2日から3日

うちで車検をすると最低でも2日はかかります

遅いか早いかは腕の問題もあるでしょうが、45分や1日ではとても終わらない

自動車の整備というものはそういうものだと思います

結果、どうしても価格が高くなるのはしょうがないこと

請求書の額面だけではわからないこともたくさんあります

 

どうして安くできるのかはよくわかりませんが

今は入庫している車をバラシていけば何となくわかってきます

これはブレーキパットの写真ですが

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スライド部分と背面には全くグリスが見当たらない

スライド部分は光って見えますが、これはバックプレートの金属の色

この車は3回目の車検で、走行は50000キロ弱ですが

その間にブレーキキャリパーを分解した形跡が全くないわけです

もちろんリアブレーキも同じで、バックプレートの当たり面は錆びているし

本来分解してグリスを湿布するところにスプレーグリスを吹いた形跡がありました

いちばん重要なブレーキですらこの状態ならあとは推して知るべし

これが「安くて早い」の正体なのだと思います

 

45分や1日で車検整備を完了しなければいけないのなら

メカニックとしては、ほかに選択肢はないのかもしれません

1日に何台もノルマを課せられているのなら、メカニックに罪はないと思います

ただ、車はキッチリ整備していても故障するものです

ブレーキは何トンもの車体を止める為、

百度の高温に晒され、水をかぶり、振動に耐えているものです

もし、スライド部分に段差ができパットが引っかかったらどうでしょう?

もし、ブレーキを引きずった状態で高温になり、フルードが沸騰したら?

人間なんて簡単に死んでしまうほどの事故は起きてしまいます

 

選ぶのはお客さんなので、こちらとしてはとやかく言うつもりはありません

ただ、キッチリコントロールできてこそ車は便利なツールになる

安全はお金では計れません

整備というのは、事故を未然に防ぎ、車を「走る凶器」にさせない為のもの

そういう気持ちで仕事をしているつもりです

 

 

これからの整備屋

ハイブリットカーの車検をしています

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けっこうマニアックな車ばかりを扱っていますので

こういう車の整備は滅多にありません

引き取りに行き、工場まで乗って帰るまでの間

タコメーターはほとんど動かないし、信号で止まればエンジンが止まる

エアコンを付ければ自動的にエンジンがかかるし、

メーターはブルーのグラデーションで落ち着かないし

やたらECOというランプはチカチカするし

なんか、運転してるというより乗せられてる感じで落ち着かない

 

リフトに上げて点検していくと、車体のど真ん中は電池で占められているし

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マフラーは申し訳なさそうに車体の隅っこを通っている

それでもやはり車は車

タイヤはすり減っているし、ショックアブソーバーからはオイルが漏れている

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後は消耗品とブレーキの部品を換えれば、整備は完了する

これからの整備屋の仕事は、

こんなふうに消耗品を換えるくらいしかなくなっていくのだろうと思います

もしかしたら、もうほとんどがそうなっているのかもしれません

プラグの焼けを見て、マフラーの匂いを嗅ぎ、エンジンのかすかな振動を感じ

故障個所や、故障を未然に防ぐ為の整備なんて無くなっていくのだと思います

 

そんな整備ばかりなら整備屋はヤメタ方が良いのかもしれません

食って行く為には仕方のないことかもしれませんが

エンジンをバラシたり、ミッションやデフをくみ上げたりしてた時は

面白かったし、楽しかった

頭の先から足元まで油まみれになって、石鹸の泡も立たないくらい汚れたけど

エンジニアがチェンジニアになっていくのは

時代の流れとはいえ、寂しく思います